スーツケースはレンタルと購入ならどっち？3つのポイントを比較してみた

旅行の計画って行き先を考えたり名物グルメを調べたり、本当にワクワクしますよね。

でも、その準備段階で意外と頭を悩ませるのが「スーツケースをどうするか」問題じゃないでしょうか。

年に数回の旅行のために購入するべきか、それとも必要な時だけレンタルするのが賢いのか…。

特に、めったに使わないのにクローゼットの大部分を占領されるのはちょっと…と感じる方も多いはずです。

長期の海外旅行となると大きなサイズが必要だけど、普段の国内旅行には邪魔になるし、そもそもどっちが安いの？なんて、考え出すとキリがありませんよね。

この記事では、そんなスーツケースのレンタルと購入に関するお悩みをスッキリ解決するために、重要なポイントを4つに絞ってまとめてみました。

スーツケースはレンタルと購入どっちがお得？3つのポイントを徹底比較

それではさっそく、スーツケースの「レンタル」と「購入」、どちらがあなたにとってベストな選択なのかを判断するための4つのポイントを見ていきましょう。

単純な料金比較だけでなく、使い勝手や手間、さらには心理的な満足度といった、いろいろな角度からじっくり比較してみると、きっと「これだ！」という納得のいく答えが見つかるはずです。

【比較1】メリット・デメリット

まずは基本中の基本、レンタルと購入それぞれのメリット・デメリットを詳しく整理してみましょう。

何を一番重視するかによって、どちらの選択肢に魅力を感じるかが大きく変わってくるかなと思います。

表面的な情報だけでなく、実際に利用するシーンを想像しながら読み進めてみてください。

レンタルのメリット・デメリット

レンタルの最大のメリットは、なんと言っても保管場所に一切困らないことですね。

特に都市部のマンションやアパートだと、収納スペースは本当に貴重です。

その限られたスペースを、年に数回しか使わない大きなスーツケースに占領されずに済むのは、想像以上に大きな利点だと思います。

旅行から帰ってきて、大きなスーツケースを部屋の隅に置いたまま…なんていうストレスとは無縁です。

また、旅行の期間や目的、さらにはその時の気分に合わせて、毎回最適なサイズやデザイン、機能のスーツケースを選べるのもレンタルならではの大きな魅力です。

例えば、冬の北海道旅行なら厚手の衣類がたくさん入るLサイズ、夏の沖縄旅行なら軽快なSサイズ、ヨーロッパの石畳の街を歩くなら走行性の良い高性能キャスターのモデル、なんていう風に常にベストな選択ができます。

憧れの高級ブランドのスーツケースを気軽に試せるのも、レンタルならではの楽しみ方かもしれませんね。

さらに、メンテナンスフリーという点も見逃せません。

旅行で汚れたキャスターを拭いたり、内部を掃除したりする手間が一切かからないのは、忙しい方にとって非常に嬉しいポイントだと思います。

一方で、もちろんデメリットもあります。

一番は、借りたい時に必ずしも希望のモデルの在庫があるとは限らないことです。

特にゴールデンウィークやお盆、年末年始といったハイシーズンは予約が殺到するため、人気のモデルやサイズはすぐに在庫切れになってしまう可能性があります。

旅行の計画は早めに立てるタイプじゃないと、ちょっと不便に感じるかもしれませんね。

また、当然ながら自分の所有物ではないので、傷や汚れを付けないように少し気を使う必要があります。

もちろん、レンタル会社も通常使用の範囲での小傷は想定していますが、大きな破損や汚れ、盗難などには注意が必要です（補償制度については後ほど詳しく解説しますね）。

そして、急な出張や週末の思いつき旅行など、突発的な予定には対応しにくいという点もデメリットと言えるでしょう。

「明日から1泊で出張！」となっても、レンタルでは間に合わないケースがほとんどです。

購入のメリット・デメリット

購入する最大のメリットは、やはり「自分のもの」であるという絶対的な安心感と所有する喜びですね。

急な旅行や出張が決まっても、クローゼットからサッと取り出してすぐに使える手軽さは、何にも代えがたいものがあります。レンタル予約の手間や返却期限を気にする必要もありません。

また、自分のスーツケースなら、好きなステッカーを貼ったり、ラゲージタグを付けたりと、自分好みに自由にカスタマイズできるのも大きな楽しみの一つ。

旅を重ねるごとに付いていく傷や凹みすらも、「旅の思い出」として愛着が湧いてくるものです。

自分だけの相棒と一緒に旅をする感覚は、購入ならではの醍醐味と言えるでしょう。

購入のデメリットとして真っ先に挙げられるのは、やはり初期費用が高くつくことと、保管場所の確保が必要になることです。

機能性やデザインにこだわると、数万円の出費は覚悟しなければなりません。

そして、その大きなスーツケースをどこに置くかという問題は、多くの家庭で悩みのタネになりがちです。

クローゼットや押し入れのスペースを大きく圧迫してしまいますし、玄関などに置けば邪魔になってしまいます。

さらに、一度買ってしまうと、もっと軽くて機能的な新しいモデルが出ても、なかなか気軽に買い替えることはできませんよね。

旅行スタイルの変化（例えば、バックパッカー旅行がメインだったのに、家族旅行が増えたなど）によって、持っているスーツケースのサイズが合わなくなる可能性も考えられます。

メンテナンスや、万が一故障した際の修理の手間と費用も、すべて自己負担となる点も忘れてはいけないポイントです。

【比較2】料金（利用頻度・旅行期間）

メリット・デメリットを把握したところで、次に気になるのはやっぱり具体的なお金のことですよね。

一体どれくらいの頻度で旅行に行くなら、レンタルと購入のどちらがお得になるのでしょうか。

いわゆる「損益分岐点」を、具体的な金額をシミュレーションしながら探っていきましょう。

ここでは、最も需要の多い一般的なMサイズのスーツケース（容量60L前後、4〜6泊程度）を例に考えてみます。

購入する場合、価格帯は様々ですが、今回はスタンダードな品質で25,000円のモデルを想定してみましょう。

レンタルの場合は、7日間で6,000円（往復送料・補償料込み）と仮定します。

利用頻度・期間	レンタル料金（累計）	購入費用	どちらがお得か？
1年目（年に1回、7日間利用）	6,000円	25,000円	レンタルが19,000円お得
2年目（計2回利用）	12,000円	25,000円	レンタルが13,000円お得
3年目（計3回利用）	18,000円	25,000円	レンタルが7,000円お得
4年目（計4回利用）	24,000円	25,000円	ほぼ同額（レンタルが1,000円お得）
5年目（計5回利用）	30,000円	25,000円	購入が5,000円お得

こうしてシミュレーションしてみると、この条件下では、年に1回程度の利用であれば、4年間使い続けてもレンタルの方がお得という結果になりました。

単純計算ですが、年に2回以上、あるいは3〜4年の間に何度も旅行に行くようなヘビーユーザーでない限り、金銭的なメリットはレンタルの方に軍配が上がるケースが多いと言えそうですね。

もちろん、これはあくまで一例です。

格安のスーツケースを購入すればもっと早く元が取れますし、逆に高級ブランドをレンタルすれば料金は上がります。

しかし、この「損益分岐点」を意識して、ご自身の旅行頻度と照らし合わせてみることが、賢い選択をするための第一歩になるはずです。

料金に関する注意点
上記の金額はあくまで一般的な目安です。
購入するスーツケースのブランドや機能、レンタル会社の料金プランによって大きく変動します。
特に1ヶ月以上の長期レンタルは、購入した方が安くなるケースも少なくありません。
利用前には、必ずレンタル会社の公式サイトなどで、ご自身の旅行日数に合わせた正確な料金シミュレーションをしてみることを強くおすすめします。

【比較3】保管・メンテナンスの手間

料金と同じくらい、いや、人によってはそれ以上に重要なのが「手間」の問題、つまりタイムパフォーマンスかもしれません。

特に、スーツケースの保管とメンテナンスは、購入後にじわじわと生活への負担となってのしかかってくる可能性があります。

まず、保管場所の問題です。

スーツケースは、使っていない時間の方が圧倒的に長いアイテム。

その間、家のどこに置いておくか、考えたことはありますか？

クローゼットや押し入れに収納するのが一般的ですが、かなりのスペースを占領してしまいます。

そのせいで、普段使う衣類や布団の収納スペースが圧迫されることも。

かといって、部屋の隅に出しっぱなしにしておくと邪魔ですし、見た目も良くありません。

特にワンルームなど収納が限られたお部屋では、この問題はより深刻になるかなと思います。

次に、メンテナンスの手間です。

旅から帰ってきて疲れている中、スーツケースのお手入れをするのは、正直かなり面倒ですよね。

空港や道で汚れたキャスターを拭き、外側のボディの汚れを落とし、内側も綺麗に拭いたり、何かこぼしてしまったらそれも拭き取り乾かしたり…。

こうしたメンテナンスを怠ると、カビや嫌な臭いの原因にもなります。

さらに、キャスターやハンドルが壊れてしまったら、修理に出す手間や費用もかかります。

保証期間が過ぎていれば、数千円から一万円以上の修理費がかかることも珍しくありません。

その点、レンタルならそういった手間や心配事は一切不要です。

旅行が終わったら、送られてきた時の箱や袋に詰め、配送業者に集荷を依頼するか、コンビニに持ち込むだけ。

保管場所の心配も、面倒なメンテナンスも、故障時の修理費用の心配もありません。

この「手軽さ」と「身軽さ」は、お金には代えがたい大きな価値があると言えるかもしれませんね。

【結論】こんな人にはレンタル（購入）がおすすめ

さて、これまでの「メリット・デメリット」「料金」「手間」という3つの比較を踏まえて、結局のところ、どんな人にレンタルが向いていて、どんな人に購入が向いているのか。

私なりの結論をまとめてみました。

ご自身のライフスタイルや価値観と照らし合わせながら、最終的な判断の参考にしてみてください。

まずはレンタルがおすすめな人から。

続いて、購入がおすすめの人。

失敗しないスーツケースレンタルの選び方

「比較してみて、自分にはレンタルが合ってそうだな」と感じた方のために、ここからはレンタルサービスを選ぶ際に失敗しないための3つの重要なポイントをご紹介します。

ただ安いだけでなく、サービス内容をしっかり比較して、満足のいくレンタル体験にしてくださいね。

【その1】旅行日数とサイズで選ぶ（機内持ち込みの注意点）

何よりもまず、ご自身の旅行日数や目的に合った適切なサイズを選ぶことが基本中の基本です。

小さすぎると帰りにお土産が入らなくなってしまいますし、逆に大きすぎると荷物が中で動いてしまったり、移動が大変になったりしますからね。

一般的なサイズの目安を以下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。

サイズ（容量）	宿泊目安	主な用途・特徴
Sサイズ（〜40L）	1〜3泊	国内旅行や短期出張に最適。多くのモデルが機内持ち込み可能で、コインロッカーにも入れやすいのがメリットです。
Mサイズ（41〜80L）	4〜7泊	週末の海外旅行から1週間程度の旅行まで、幅広く使える最も人気の万能サイズ。迷ったらこのサイズがおすすめです。
Lサイズ（81L〜）	8泊以上	長期の海外旅行や留学、家族旅行など、荷物が多くなる場合に。冬場の厚手の衣類が多い旅行にも安心です。

また、サイズ選びの際は、お土産などで帰りの荷物が増えることを見越して、少し余裕のあるサイズを選ぶか、荷物が増えた際に容量を拡張できる「エキスパンダブル機能」付きのモデルを選ぶのがおすすめですよ。

また、機内持ち込みサイズの注意点ですが、「機内持ち込みOK」と記載されていても、その規定は航空会社や、特にLCC（格安航空会社）によって細かく異なる場合があります。

国際線と国内線でもルールが違うことが多いです。搭乗当日にカウンターで追加料金を請求される…なんて事態を避けるためにも、利用する航空会社の公式サイトで、最新のサイズ（高さ・幅・奥行きの3辺の合計）と重量の規定を必ず事前に確認するようにしましょう。

手荷物に関するルールについて主な航空会社のものをまとめてみたので詳細は以下のサイトを参照してください。
ANA「機内に持ち込めるサイズとルール（国内線）」
JAL「機内持ち込みお手荷物」
peach「機内持ち込み手荷物について」
Jetstar「機内持込手荷物の条件について」
skymark「機内持込手荷物」
ソラシドエア「機内持込手荷物について」

【その2】料金と補償内容のバランスで選ぶ

レンタル料金は、もちろん安い方が嬉しいですが、安さだけで選んでしまうと後悔することもあるので気をつけましょう。

料金に何が含まれていて、何が含まれていないのか、サービスの詳細をしっかりチェックすることがとても大事です。

特に、海外の空港ではスーツケースが想像以上に乱暴に扱われ、キャスターが壊れたり、本体にヒビが入ったりすることも残念ながら珍しくありません。

そんな時に「補償に入っていなかったので修理費実費です」なんてことになったら、せっかくの旅行が台無しですよね。

多少レンタル料金が上がったとしても、修理費用の全額または大部分をカバーしてくれる手厚い補償が付いているプランを選ぶのが、心の底から旅行を楽しむための保険だと私は思います。

レンタル会社によって補償内容は本当に様々なので、ここはじっくり比較検討してみてくださいね。

【その3】レンタルで憧れのブランドを試すのもおすすめ

レンタルの大きな魅力の一つが、普段はなかなか手が出せない高級ブランドや、気になっていた人気ブランドのスーツケースを気軽に試せること。

これは、購入にはない、レンタルならではの賢い活用法だと思います。

例えば、多くのビジネスパーソンや旅好きが憧れるドイツの「リモワ（RIMOWA）」、軽さと機能性で世界的に定評のある「サムソナイト（Samsonite）」、メイドインジャパンの高品質で知られる「プロテカ（Proteca）」など、人気のブランドも数千円からレンタルすることが可能です。

「いつかはリモワが欲しいけど、いきなり十数万円出すのは勇気がいる…」という場合、まずはレンタルで実際の使い心地を試してみるのは、非常に賢い選択だと思いませんか？

デザインの好みだけでなく、ハンドルの高さが自分に合っているか、キャスターの走行音は静かか、内装の仕切りは使いやすいかなど、スペック表だけでは分からないリアルな使用感を実際の旅行シーンで確かめることができます。

これによって、もし将来的に同じブランドのスーツケースを購入する際にも、失敗のリスクを格段に減らすことができるはずです。

ぜひ、憧れのブランドをレンタルで体験してみてください。

スーツケースのレンタルサービスを行っている会社については別記事に詳細をまとめているのでこちらも参考にしてもらえると嬉しいです。

最後にスーツケースはレンタルか購入かどっちがお得かをまとめます

今回は、スーツケースのレンタルと購入について、料金や手間、メリット・デメリットなど、様々な角度から徹底的に比較してみました。

どちらにも良い点、そして気になる点があるので、一概に「こっちが絶対に正解！」とは言えないのが正直なところです。

一番大切なのは、この記事で紹介した比較ポイントを参考にしながら、ご自身の旅行の頻度や目的、ライフスタイル、そして何を一番重視するのかという価値観に合った選択をすることかなと思います。

保管場所やメンテナンスの手間から解放されたい、旅行のたびに違うスーツケースを楽しみたい、初期費用は抑えたい、という方であれば、レンタルは間違いなくあなたの旅をより快適で身軽にしてくれる、とっても便利なサービスです。

また、「国内旅行用にSサイズは購入し、長期の海外旅行の時だけLサイズをレンタルする」といったように、両方を賢く使い分ける「ハイブリッド利用」もおすすめです。

この記事が、あなたのスーツケースに関する悩みを解消して次の旅行の準備をスムーズに進めるための一助となれば、私にとってこれ以上嬉しいことはありません。

どうぞ、良い旅を！