電動キックボードはレンタルで1ヶ月程度お試しするのが良い理由

最近、街中で颯爽と走る電動キックボードを見かけることが本当に増えましたよね。

「通勤ラッシュの満員電車から解放されたい」「自宅から駅までの微妙な距離を楽に移動したい」

そんな風に考えて電動キックボードのある生活に憧れている方も多いのではないでしょうか。

でも、いざ自分の生活に取り入れようと思ったとき、いきなり10万円以上もする車体を購入するのは正直かなり勇気がいります。

買ってみたものの「意外と坂道が登らなかった」「マンションの駐輪場に置けなかった」なんてことになったら目も当てられません。

そこで登場するのが電動キックボードのレンタルサービスです。

特に大阪や東京などの都市部ではLUUP（ループ）のようなシェアリングサービスも便利ですが、毎日使うとなると自分専用として1ヶ月単位で借りてしまったほうが、いろんな意味でメリットが大きい場合があります。

この記事では、免許なしでも乗れる最新の特定小型原付モデルの条件や、格安で利用できるおすすめのレンタルサービスについて、実際のユーザー目線でまとめてみました。

配送エリアや保険、坂道性能といった不安を感じる要素にも触れていくので、電動キックボードを使ってみたいと思っている方は最後までぜひお付き合いしていただけると嬉しいです。

電動キックボードを1ヶ月レンタルする前に知っておきたいこと

自分にぴったりの電動キックボードを見つけるためには、まず法律上のルールと、各レンタルサービスの特徴を正しく理解することから始めていきます。

借りてみたけど公道を走れなかったなんて失敗をしないよう、基礎知識からしっかり押さえていきましょう。

免許なしで乗れる特定小型原付の条件

まず最初にクリアにしなければならないのが、免許の問題です。

電動キックボードは免許がいらないという話を聞いたことがあるかもしれませんが、すべての車体がそうではありません。

2023年7月の道路交通法改正によって新設された「特定小型原動機付自転車（特定小型原付）」という区分に当てはまる車両だけが、16歳以上であれば運転免許不要で乗ることができるのです。

これからレンタルしようとしているキックボードが、この免許なしOKのタイプかどうかを見分けるには、以下の基準をチェックする必要があります。

特に重要なのが最高速度表示灯です。

これは車体の前後（またはハンドル周りなど）に取り付けられた緑色のランプで、走行モードによって点灯・点滅が変わります。

このランプが付いていない古いモデルや、最高速度が20km/hを超えるモデルは、従来どおり一般原付扱いとなるため、原付免許や普通免許が必要になり、ヘルメット着用も義務（特定小型は努力義務）となります。

また、よくある誤解として歩道走行があります。

免許がいらないから歩道も走れると思っている方が多いのですが、原則は車道の左側端を走らなければなりません。

歩道を走れるのは、「特例特定小型原動機付自転車」という要件を満たし、かつ最高速度を6km/h以下に制限するモード（この時、緑色のランプが点滅します）に切り替えた場合のみです。

レンタルする車両がこのモードに対応しているかも、安全面では重要なチェックポイントですね。

ちなみに、免許は不要ですが、交通ルールの遵守は必須です。

飲酒運転や信号無視は自転車と同様、あるいはそれ以上に厳しく取り締まられますので、レンタル前に必ずルールを確認しておきましょう。

上記記事の作成には下記のサイトを参照しました。
警察庁『特定小型原動機付自転車（いわゆる電動キックボード等）に関する交通ルール等について』

購入前の試し乗りにおすすめな理由

いつかはマイ電動キックボードが欲しいと思っている方にこそ、私はまず1ヶ月のレンタルを強くおすすめしています。

なぜなら、電動キックボードは決して安い買い物ではないからです。

信頼できるメーカーのエントリーモデルでも10万円前後、坂道もしっかり登れるハイスペックなモデルになれば15万円〜20万円以上もします。

それだけの金額を出して購入したのに、実際に使ってみたら不便だったといってすぐに手放すのはあまりに勿体ないですよね。

カタログスペックや数分の試乗だけでは分からない生活の中での使い勝手には、以下のような落とし穴があるんです。

レンタルして1ヶ月も使ってみると、これらの不安要素をすべて自分の生活圏内でじっくりチェックできます。

やっぱり合わないなと思えば返却して終わりですし、これは良いと思えば、自信を持って購入に踏み切れます。

サービスによっては、支払ったレンタル料金の一部を購入代金に充当できるプランを用意しているところもあるので、まさに失敗しないための必要経費として、非常に理にかなった選択だと言えるでしょう。

格安サブスクと人気サービスを徹底比較

では、実際に1ヶ月単位で借りるならどのサービスが良いのでしょうか。

現在、日本国内で利用できる主要な電動キックボードレンタル（サブスク）サービスを比較してみましょう。

それぞれ得意とする領域が違うので、自分のニーズに合うものを選んでください。

サービス名	月額料金目安(税込)	主な取扱車種	特徴・メリット	注意点
Rentio (レンティオ)	18,000円〜	SWALLOW ZERO9 Lite (特定小型原付)	ネット完結・全国配送 気に入ればそのまま購入可能。 製品の質が高い（登坂力が強い）。	最低レンタル期間（3ヶ月など）が設定されている商品が多い。 返却時の箱保管が必要。
カウリル (オートバックス等)	17,800円〜	YADEA KS6 PRO Meister Fなど	実店舗での安心サポート オートバックス等で受取・返却。 対面で操作説明を受けられる。	店舗のあるエリア（関東・関西等）限定。 店舗まで取りに行く手間がある。
Rimo (リモ)	6,880円〜 (※長期契約時)	Rimo E-Scooter	長期利用でのコスパ最強 半年〜1年以上の契約なら圧倒的に安い。 沖縄発だが全国配送対応。	短期（1ヶ月のみ）だと割高になる傾向。 あくまで「リース」に近い形態。

Rentio（レンティオ）　　迷ったらここ！バランス最強の選択肢

家電レンタル大手のRentioは、電動キックボードメーカー「SWALLOW」と提携しています。

ここの最大の特徴は、扱う機体（ZERO9 Lite）の性能が良いことです。

500Wの高出力モーターを積んでいるので、日本の坂道でも比較的スイスイ登ります。

安かろう悪かろうな機体を借りてガッカリしたくないなら、Rentioが一番無難でおすすめです。

Rentioについては別記事で詳細をまとめているのでこちらも参考にしてみてください。

また、レンティオで扱っているSWALLOW ZERO9 Liteのレンタルに関する詳細情報を知りたい方は下記のレンティオ商品紹介ページでチェックしてみてください。

Rentio公式Webサイト「SWALLOW ZERO9 Lite」

カウリル × オートバックス　初心者に優しい対面サポート

初めて乗るから操作が不安、あるいは自分で整備できる自信がない…という方は、カー用品大手のオートバックスが展開するカウリル経由のプランが良いでしょう。

店舗でスタッフさんから直接レクチャーを受けられますし、タイヤの空気圧などのメンテナンスもプロにお任せできる安心感は代えがたいものがあります。

Rimo　半年以上乗るならここ一択

とりあえず半年は乗るつもりと決めているなら、Rimoの長期プランが圧倒的に安いです。

月額1万円を切る価格設定は他社には真似できません。ただし、途中解約の条件などは契約前にしっかり確認してくださいね。

東京や大阪など対応エリアと配送事情

借りたいサービスが決まっても、自分が住んでいる場所に届かなければ意味がありません。

また、意外と見落としがちなのが配送と返却の手間です。

全国配送型（Rentio、Rimoなど）のメリットとデメリット

宅配便を使って玄関先まで届けてくれるので、地方在住の方や、近くに店舗がない方にとっては非常に便利です。

しかし、ここで一つ大きな問題があります。

それは梱包箱の保管です。

電動キックボードが入っている箱は、人間一人分くらいの巨大なサイズです。

レンタル終了後に返却する際、この箱に詰め直して送り返す必要があるため、レンタル期間中はずっとその巨大な空箱を自宅のどこかに保管しておかなければなりません。

ワンルームマンションなどで収納スペースが限られている場合、この空箱問題は結構なストレスになるので、事前に置き場所を確保しておきましょう。

店舗受取型（カウリルの一部など）のメリットとデメリット

Webで予約して、指定された実店舗（オートバックスなど）に取りに行くスタイルです。

現在は東京、大阪、神奈川などの都市部を中心に展開されています。

最大のメリットは送料がかからないことと空箱の保管が不要なことです。

そのまま乗って帰る（あるいは車に積んで帰る）ので、邪魔な箱を家に置く必要がありません。

ただし、自宅から店舗までの移動手段や、返却時にまた店舗まで行く手間は発生します。

LUUPよりお得か料金シミュレーション

都心に住んでいる方なら、LUUP（ループ）のようなシェアリングサービスでいいんじゃない？と迷うこともあるでしょう。

確かに、たまに乗るだけならLUUPは便利です。

しかし、毎日の通勤や通学で使うとなると、話は変わってきます。

ここで、2025年以降の料金相場や利用頻度を想定して、どちらがお得かシミュレーションしてみましょう。

【シミュレーション条件】

利用シーン：片道15分（約3〜4km）の通勤
頻度：月20日（往復40回利用）
LUUP想定料金：基本料金50円＋15円/分＝約275円/回（※地域や改定により変動あり）

金額だけ見たらLUUPのほうが安いじゃんと思われた方。

正解です！

確かに、純粋な移動コストだけを見ればシェアリングサービスのほうが安く済むケースが多いんです。

にもかかわらず、レンタルを選ぶユーザーがこれだけ増えている。

これには以下に示すような金額差以上のメリットがあるからなんです。

月額プラス数千円で、これらのストレスや不確実性をすべて排除し、好きな時に好きなだけ乗れる自由を手に入れられると考えれば、1ヶ月レンタルのコスパは決して悪くないと私は考えます。

電動キックボードを1ヶ月レンタルする際の注意点

便利なレンタルサービスですが、あくまで自分の管理下で車両を運用することになるため、シェアリングサービスのように乗り捨てて終わりではありません。

申し込んでから後悔しないよう、実運用におけるリスクや注意点をまとめてみます。

購入とレンタルの損益分岐点はどこか

もし、レンタルした電動キックボードを気に入って、これならずっと乗り続けたいと思った場合、いつかはレンタルし続けるより買ったほうが安いというタイミングが訪れます。

これを損益分岐点と呼びます。

例えば、性能の良い特定小型原付（SWALLOW ZERO9 Liteなど）を購入する場合、車体価格＋自賠責保険＋税金などで、初期費用は約15万円〜16万円ほどかかります。

一方、これを月額18,000円でレンタルし続けたとすると、以下のようになります。

• 3ヶ月レンタル総額：54,000円
• 6ヶ月レンタル総額：108,000円
• 9ヶ月レンタル総額：162,000円（←ここで購入額を超える！）

つまり、8ヶ月〜9ヶ月以上乗り続けるなら買ったほうが経済的にお得という計算になります。

1年以上乗ることが確実なら、迷わず購入するか、月額が安いRimoのような長期リースプランを選びましょう。

逆に、「冬の寒い時期や梅雨の時期は乗りたくない」「半年後には転勤するかもしれない」という不確定要素がある場合は、トータルコストが多少割高になっても、いつでも解約して返却できる1ヶ月レンタル（サブスク）のほうが、リスクヘッジとしては優秀です。

電動キックボードはバッテリーが劣化したり、廃棄処分が大変だったりするので、所有しない身軽さにお金を払うという考え方も大いにアリだと思います。

坂道を登れるモーター出力の選び方

この記事の中で一番強調したいポイントかもしれません。

日本の道路事情において、電動キックボードの満足度を左右するのは登坂能力です。

電動キックボードの心臓部であるモーターには、出力（W数）の違いがあります。

特定小型原付の上限は600Wですが、市場にはもっと出力の低いモデルもたくさん出回っています。

定格出力が250W〜350W程度のモデルは、平坦な道を走る分には問題ありませんが、少しでも坂道（勾配5%程度）に差し掛かると、極端にスピードが落ちます（時速5km〜8kmとかになります）。

こうなると結局自分で地面を蹴って（プッシュして）アシストしなければならず、電動の意味ないじゃん…と汗だくになる羽目になります。

自宅周辺に坂道がある場合や、体重が70kg以上ある男性の場合は、迷わず定格出力500W以上のモデルを選んでください。

例えばRentioで借りられるSWALLOWのモデルなどはここがしっかりしているので安心ですが、格安のレンタルモデルの中にはパワー不足のものも混ざっています。

スペック表の登坂角度や定格出力を必ずチェックし、坂道対応を謳っているものを選んでください。

マンションでの保管方法と盗難対策

自宅に届いてから置く場所がないと焦らないために、保管場所のシミュレーションも重要です。

特にマンションやアパートにお住まいの方は気をつけましょう。

共用廊下や駐輪場のルール確認

特定小型原付は、法律上は原付と同じ扱いになるケースが多いです。

そのため、マンションの駐輪場に置く場合、自転車置き場ではなくバイク置き場の契約を求められることがあります。

バイク置き場は空きが少なかったり、月額料金が高かったりするので、管理会社への事前確認は必須です。

また、消防法の関係で、共用廊下やアルコーブに私物を置くことを禁止しているマンションも多いです。

最強の解決策は「折りたたみ・室内保管」

そこでおすすめなのが、折りたたんで玄関の中やベランダで保管する方法です。

これなら駐輪場代もかかりませんし、雨風によるサビや劣化も防げます。

何より、盗難のリスクがゼロになります。

ただし、ここで問題になるのが重さです。

一般的な特定小型原付は15kg〜20kgの重量があります。

これは2リットルのペットボトル8本〜10本分です。

エレベーターがあるなら問題ありませんが、階段で2階、3階まで毎回担いで上がるのは、正直言ってかなりの筋トレになります。

自分の体力で持ち運べる重さかどうかも、レンタル選定の重要な基準になります。

屋外保管なら地球ロックが必須

もし屋外の駐輪場に置く場合は、盗難対策を徹底してください。

電動キックボードは軽いので、鍵をかけていても車体ごと抱えて持っていかれるリスクがあります。

必ず、柱や柵など地面に固定された構造物と一緒にチェーンロックを通す「地球ロック（アースロック）　」を行ってください。

レンタル品を盗まれた場合、管理に過失があるとみなされると車体代金全額を弁償しなければならないケースもあり得るからです。

パンク修理や任意保険の加入について

最後に、万が一のトラブルへの備えについてです。レンタル期間中に一番起こりやすいトラブル、それはパンクです。

流行ってきたとはいえ、電動キックボードのパンク修理を受けてくれる自転車屋さんはまだまだ少ないのが現状です。

モーターが車輪に内蔵されているため構造が複雑で、断られてしまうことが多いのです。

もしパンクした場合、修理費用（出張修理などを使うと高額になりがちです）は原則ユーザー負担となることがほとんどです。

このリスクを避けるために、最初からノーパンクタイヤ（ソリッドタイヤ）　」を採用しているモデルを選ぶのも一つの手です。

乗り心地は少し硬くなりますが、パンクの心配がないという安定感は大きいと思います。

そして、自分を守るための任意保険への加入も強く推奨します。

レンタル料金には通常自賠責保険が含まれていますが、これは事故相手の身体への補償のみをカバーするものです。

相手の車を傷つけてしまった場合（対物賠償）や、自分が転んで怪我をした場合（傷害保険）はカバーされません。

Rentioなどの大手サービスでは、申し込み時に月額数百円の追加オプションで賠償責任保険や免責補償を付けられる場合があります。

数千円をケチって人生を棒に振ることがないよう、ここは迷わず加入しておきましょう。

もしオプションがない場合は、ご自身の自動車保険のファミリーバイク特約や、クレジットカード付帯の個人賠償責任保険が使えるか確認してみてください（※特定小型原付が対象になるかは保険会社への確認が必須です）。

自分に合う電動キックボードを1ヶ月のレンタル期間で見極めよう

ここまで、電動キックボードの1ヶ月レンタルについて、メリットだけでなくリアルな注意点も含めてまとめてみました。

電動キックボードは、単なる移動手段というだけでなく、「いつもの見慣れた街が違って見える」「移動そのものが楽しくなる」という新しい体験をくれる乗り物です。

その体験が自分の生活に合うかどうかを確かめるために、1ヶ月のレンタルという選択肢はピッタリだと言えます。

最後に失敗しないためのチェックポイントを挙げておきます。

これらのポイントさえ押さえれば、きっと後悔のない、快適でエキサイティングなモビリティライフが始められるはず。

まずは1ヶ月、風を切って走る楽しさをぜひ体験してみてください。

※本記事の情報は2025年時点のものです。法律やサービスの料金・条件は変更になる可能性があります。ご利用の際は必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。